急に始まった咳
- ほとんどが、かぜなどのウイルス感染症です (感染性咳嗽)
- 普通のかぜでも平均2~3週間も続くというデータがあります*
- 感染症が治った後も、気管支などの空気の通り道の炎症・障害の修復が遅れているためと考えられます
- 鼻水やノドの痛みがなくかぜらしくない場合、レントゲンを撮影し肺炎や心不全など他の病気の可能性を検討します
*Ann Fam Med. 2013;11(1):5. doi:10.1370/afm.1430
1か月以上長引く咳
3週間以上続く場合に「遷延性咳嗽」、8週間以上続く場合に「慢性咳嗽」と呼ばれます。
3週間続いているのに改善の傾向がない場合、単なるかぜの可能性が低いため、他の病気の可能性を考える必要があります。とくに咳喘息が半数近くを占めると言われています。
- 咳喘息 : 咳だけの喘息で、喘鳴 (ゼーゼー・ヒューヒュー) が目立ちません
- 慢性閉塞性肺疾患 COPD : タバコ等による肺の機能低下で、かぜをきっかけに悪化することがあります
- 胃食道逆流症 (逆流性食道炎) : 逆流した胃酸の刺激により咳を起こすことがあります
この他にも、レントゲンでは分かりにくくCT検査で診断がつく場合や、画像で異常が見つかりにくい稀な原因の場合もあります。経過に応じて呼吸器内科を中心とした専門医へのご紹介を検討します。
情報源
以下の情報源をもとにした内容を載せています。
- 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019 https://www.jrs.or.jp/publication/jrs_guidelines/20190412145942.html
- 日本呼吸器学会による一般の方向け情報
- 呼吸器 Q & A https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/
- 呼吸器の病気 https://www.jrs.or.jp/citizen/disease/