コレステロールとは?中性脂肪とは?
コレステロール
- コレステロールは脂質の1つです
- 多くは肝臓で合成されます (7-8割)
- 一部は食事に由来します (2-3割)
- (“LDL”、”HDL” などと表記される蛋白質と結合して血液に溶けています)
- 本来は細胞膜やホルモンの材料に必要な物質ですが、バランスが崩れると病気の原因になります
- コレステロールが血管の壁に付着して塊 (粥腫・プラーク) になると、動脈硬化をおこします
- LDLコレステロール (“悪玉コレステロール”) : 付着した脂の塊 (粥腫・プラーク) を大きくします
- HDLコレステロール (“善玉コレステロール”) : 付着した脂の塊 (粥腫・プラーク) を小さくします
- 動脈硬化は、命に関わる病気の原因になります (心筋梗塞や脳梗塞などの合併症)
- 日本人の5大死因のうち、2つに関係します (心疾患と脳血管疾患)
(厚生労働省による人口動態統計, 2020年時点)
- 日本人の5大死因のうち、2つに関係します (心疾患と脳血管疾患)
中性脂肪
- コレステロールとは別の脂質の1つです
- 体脂肪や食品など、脂肪のほとんどを占める物質です
- 血液中の中性脂肪が高いことも動脈硬化の原因になることが示唆されています
脂質異常症の基準
コレステロールや中性脂肪の異常は、脂質異常症と呼ばれます。空腹時の血液検査で評価します。
(とくに中性脂肪の数字が食事で影響されやすいためです)
- LDLコレステロール 140 mg/dL 以上
- HDLコレステロール 40 mg/dL 未満
- 中性脂肪 (トリグリセリド) 150 mg/dL 以上
どうして脂質異常症になる?
- いくつかの原因が重なっていることが多いです
- 生活習慣 (食事, 運動, 睡眠, 喫煙, ストレス)
- 他の生活習慣病 (高血圧, 糖尿病など) との共通点が多いです → 詳しくは生活習慣のページで解説しています
- 体質 (遺伝素因) : ご家族のご病気から推測することがあります
- 生活習慣 (食事, 運動, 睡眠, 喫煙, ストレス)
- 特定の病気が原因になっている場合があります (甲状腺ホルモンの異常など)
治療
コレステロール (とくにLDLコレステロール) の異常による動脈硬化と、その結果の重大な病気を予防するために治療します。
- 生活習慣の改善 → 詳しくは生活習慣のページで解説しています
- 飲み薬 (スタチン製剤など) → 生活習慣の改善で目標を達成できない場合などで開始します
- 薬を始めた2-3か月に、副作用が出ていないか血液検査で確認します
- 安定している場合、年1回定期検査を行います
※ すでに動脈硬化による病気を経験されている方は、コレステロールの数値に関わらず薬による治療を開始します (二次予防)
目標値
- コレステロール・中性脂肪の数字や生活習慣、他の病気の状況などから、個別に設定します
- 当院では日本のガイドラインが採用しているツールを用いています
- 一般向けにも公開されてます : 冠動脈疾患発症予測ツールこれりすくん
情報源
以下の情報源をもとにした内容を載せています。
- 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版 https://www.j-athero.org/jp/publications/guideline/
- 一般の方向けのページ https://www.j-athero.org/jp/general/index/