風しんの予防のために利用できる制度があります。分かりにくい部分があるため、本記事でまとめます。2024年度で終了する制度もあるためご留意ください。
記事後半では、風しんについての説明や予防の重要性について記載しています。
利用できる制度
- ① 風疹抗体検査・風疹第5期定期接種
- ② さいたま市風しん抗体検査
2種類の制度があります。利用できるかの確認は、次の条件を順番に検討してください。
- 風しん関係の対応歴※1あり → 利用できる制度なし
- 市からの案内あり → ①
- 市からの案内ないが対象者 = 1962/4/2 ~ 1979/4/1 生まれの男性 → ① ※2
- 妊娠希望の女性(50歳未満) → ②
- 妊娠希望の女性(50歳未満)の同居者 → ②
- 風しん抗体価が低い妊婦※3の同居者 → ②
- 対応歴 : 抗体検査や予防接種をすでに受けた, 風しんの治療歴がある など
- 市の案内がない場合 : 案内を発行いただくように、ご自身で市に問い合わせていただく必要があります
- 風しんの抗体価 : 数値が分かる検査結果が必要です (EIA法で8.0未満 または HI法で16倍以下)
① 風疹抗体検査・風疹第5期定期接種
過去に公的な予防接種を受ける機会がなかった方むけの制度です。
無料で抗体検査を受けられます。抗体がなかった場合は無料で予防接種を受けられます。
昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性が対象です。対象の方にはさいたま市から案内 (クーポン券) が郵送されています。お手元に届いていない場合には、区役所保健センターにお問い合わせください。
この制度は、2024年度 (2025年3月31日) で終了予定です。
② さいたま市風しん抗体検査
妊娠希望の女性や、その同居者を対象として、無料で抗体検査を受けられる制度です。すでに妊娠が分かっていて風しん抗体がない方の同居者も対象です。(妊娠中は風しんの予防接種ができません)
抗体がない場合は予防接種をお勧めしますが、予防接種への費用補助はありません。自費診療 (9,000円) となります。
①の制度と異なり、市からの案内や受診時に必要な書類はありません。まずは当院にお問い合わせください。
制度を利用しない場合
自費診療としても実施しています。
- 風しんの抗体検査 : 4,000円
- 風しんの予防接種 : 9,000円
予防接種には 風しん・麻しん混合ワクチン を使用します。主に流通しているのが混合ワクチンのためです。
風しんとは?
発熱と全身の発疹が特徴です。関節症状を伴うことがある他に、脳や血液などの稀な合併症を起こすこともあります。
数日間で自然治癒します。
風しんウイルスの感染が原因です。風邪と同様に、咳や鼻水などの飛沫 (水滴) にふくまれるウイルスによって感染します (飛沫感染)。しかし一般的な風邪よりも感染力が強いです。
また、感染しても症状を出さない場合もあるため、感染を広げてしまう危険性があります。
風しんを警戒する理由
- 感染力が強い
- 妊婦が感染すると胎児に影響が及ぶ場合がある
胎盤を通して胎児も感染することで、先天異常 (先天性風疹症候群) をきたす可能性があります。そのため、妊娠中の感染を防ぐことがとても重要です。
風しんの流行状況
直近では急な流行はありません。
2024年に国内で報告されているのは4名です。(記事作成時点の最新報告 (2024年7月10日) より)
2018年・2019年は年間2000名以上の流行がありました。コロナ禍以降は報告数が減っており、2021年から2023年は年間12~15名でした。
ワクチンのご用意に時間がかかることがあります。(2024年7月時点)
メーカーの問題で出荷量が限定されているためです。
流通量が回復してきていますが、ご迷惑をおかけすることがあります。あらかじめご了承ください。